= 指使い =

『初めての譜読み』でも取り上げましたが、『指使い』とはとても重要なものだと思います。
ひと通りのことを学ばれるまでは、自分の好きな指使いを使わずに、楽譜に書かれた通りに弾くことが望ましいと思われます。
ですが、楽譜によってはあまり指使いが書かれていないものもありますね。
独学で練習されている人は???になってしまうと思います。
また、レッスンを受けている人でも少しずつ『指使いの決まり』がわかると良いのではないでしょうか。
ここではその『決まり』について少しお話したいと思います。

基本

指使いの基本とは、指定されている指番号から、1本ずつ指を乗せていった時の指になります。
例えば、ドミレソファを弾くとき、初めのドに1の指番号の指定があったら、[13254]の指で弾くのが基本になります。(右手)
また、同じ音で、初めのドに2の指番号の指定がある時、ドミレまではそのままの[243]で弾けますが、その後の指が足りません。
その場合、大抵の楽譜にはソのところに[5]などの指定があると思います。
新しい指定があったら、ポジションを移動し、またそこから1本ずつ指を乗せていきます。

オクターブ

オクターブを取る時は、大抵1→5の指で取ることが多いです。
もちろん、それよりも先(1オクターブより先)に音がある場合は、3で取ったり4で取ったりすることもありますが。
また、これが黒鍵になりますと、1→4で取ることが多いです。
なぜなら、5の指は黒鍵を弾くには適していないからです。

スケール

音が順番に並んでいるパッセージを弾く時は、スケールを思い出してください。
そのパッセージは何調でできていますか??
例えば、ニ長調であるなら、レの音に1の指を合わせるように持っていかなければなりません。(右手の場合)
そして、ソの音でまた1の指に戻すように。
もちろん、このパッセージがニ長調だからといってレから始まるとは限りません。
それには、『スケールとカデンツ』でもお話したように、日頃からスケールの練習をたくさんしておくことです。

和音

ドミソという和音を[125]などの指で弾く子はまずいません。(右手の場合)
ですが、これがドミラになるとどうでしょう??
パッと[125]が出てくる子と[135]で弾いてしまう子に分かれます。
和音を弾く時は、まず一番下の音と一番上の音を弾いてみてください。
この場合はドとラですね。
そして、残りの指は鍵盤の上に自然に乗せてください。
すると、どうですか?
ミの辺りに2の指がきていませんか?
自然に置いた時、自然に弾ける指が正しい指使いです。
もし、これでも3の指が近い!!と言い張るならば、3の指で弾いた場合と2の指で弾いた場合を比較してみてください。
きっと2の指で弾いた方が、無理なく自然に弾けると思います。

また、理論的に考えるならば...。
一番下の音と一番上の音を弾いて、その間に入っている鍵盤の数が偶数の時。
(例えば、一番下の音=ド、一番上=ラ、その間はレミファソの4つ。)
弾きたい音が1の指に寄っている時は、真ん中の音は2の指で。
(例えば、ドミラの和音だと、ミはドの方(1の指の方)に寄っているので、2の指で弾きます。)
弾きたい音が5の指に寄っている時は、真ん中の音は3の指で弾くようにします。
(ですが、ドファラの和音ですと、ファはラの方(5の指の方)に寄っているので、3の指で弾きます。)

アルペジオ

アルペジオを弾く時も、基本は和音と同じです。
(もちろん、それ以前に、アルペジオの練習をたくさんしていれば、いちいち指使いを考えなくてもパッと出てくると思いますが...。)
例えば、ドミソドというアルペジオを弾くために、まずは和音取りをしてみましょう。
一番下の音と一番上の音を弾いてみる。
残りの指を鍵盤の上に自然に置く。
すると、ミとソの辺りに2と3の指がきていると思います。
また、ドファラドを弾くのに、↑と同じ指で弾こうとすると、違和感を感じると思います。
自然に置くと、ラには4の指が来ますね。

その他

また、これ以外にも、先を見据えて指使いを考えることも大切です。
できるだけポジションを変えずに弾けるよう、少し先を見て(1,2小節くらい)、1番高い音に5の指を持ってくるように考えます。