ドーム(大聖堂)

ドーム広場に正面を、レジデンツ広場に北側の側面を向けて立つ壮大な大聖堂である。 17世紀の初頭、ザルツブルクがカトリックの牙城として北のローマを目指すべく建設熱に浮かされていた時の建物で、当時の大司教ヴォルフ・ディートリヒが建設を命じ、1628年に塔の部分を除いて完成している。2本の塔の完成は1655年のことである。 第2次大戦中にアメリカの爆撃で破壊されるが、1959年に改修が完成している。 ローマのバロック様式の堂々たる建設だが、イタリアからの輸入スタイルに過ぎないという批判もある。 ドーム広場ではザルツブルク音楽祭の生みの親であるホフマンシュタールの劇『イェーダーマン』が音楽祭開幕時に毎年上演される。

+中央ドーム+

8角形の中央ドームにはフレスコ画とスタッコが施されている。
この中央ドームは一度、1859年に火災のために破壊され、さらに第2次大戦の被害を受けている。
扉などは現代の作家が制作し直したが、ドームは昔のまま再現された。

+中央祭壇+

後陣の明り採りの窓から差し込む光の中に中央祭壇がある。
祭壇画のテーマはキリストの昇天であり、1628年にアルセニオ・マスカーニの手で描かれたものである。
ドーム内のフレスコ画や、スタッコは全て、マスカーニの工房の手になるものである。
弟子のイグナツィオ・ソラリ(ドームの設計者サンティノ・ソラリの息子)なども参画している。